会長挨拶
この度、第62回日本癌治療学会学術集会を、2024年10月24日(木)~ 26日(土)の3日間、福岡コンベンションセンターにて開催させていただくこととなりました。歴史と伝統ある本学術集会を主催させていただきますことを、たいへん光栄に存じますとともに、吉野孝之理事長、土岐祐一郎前理事長をはじめ本学会の理事、代議員、会員の皆様に心より感謝申し上げます。岡山大学が本学術集会を担当させていただきますのは、教室の先々代教授の折田薫三先生が1994年に第32回を岡山で開催されて以来30年ぶりとなりますが、参加いただく多くの皆様に満足いただけるようにと準備を進めてまいりました。
がんは多様であり強敵ですが、研究者、臨床医、メディカルスタッフなど、がんに関わる全ての専門家が連携してその正体を追求し、ゲノム医療や免疫療法、ロボット支援手術、人工知能(AI)などの多彩な手段を講じてがんと向き合ってきたことで、少しずつ治るがんが増えてきています。さらに、がん予防による未病の達成やサステナブルな治療によるがんとの共生など、新しい挑戦で私たちはがん治療の未来を語ることができ、患者さんたちは未来を生きることができる時代になってきています。そこで、本学術集会のテーマを、「がんを知り、がんと向き合い、未来を生きる-Live for the future with facing cancer-」といたしました。日本癌治療学会は16,000人を超える会員を擁する診療科横断的、また職種横断的な学会でありますので、本学術集会ではがんの専門家から患者さんまで、がんに関わるすべての方々が、さらに深くがんを知り、さらに多彩な戦略でがんと向きあい、さらに遠い未来を語ることができる場を提供したいと考えています。
私は30年以上、がんの遺伝子治療やウイルス療法など、新たな革新的医療技術開発にも携わってきております。本学術集会では、従来の内容に加え、出口戦略を見据えた「創薬研究」や「医療機器開発」にもフォーカスし、魅力的なシーズ開発に挑んでおられるスタートアップ企業やバイオベンチャー、製薬・医療機器・検査メーカーの研究所の皆様などにも参加いただける企画を考えました。会長特別企画では、テーマに合わせて「がんを知る企画」、「がんと向き合う企画」、「未来を生きる企画」として、基礎研究から先端医療開発まで幅広く15のセッションを準備いたしました。また、35の臓器別セッション、32の領域横断セッション、ASCO・ESMO・FACO との合同シンポジウム、「がんち」から世界に発信するJSCO “Frontier”などの魅力的なセッションを準備して、多くの皆様のご参加をお待ちしております。さらに、展示会場は重要な情報発信、情報収集の場でありますので、ご参集いただく皆様に驚きや感動を覚えていただけるような「wonderland」にしたいと考えました。わかりやすく「お薬の広場」、「ロボット王国」、「カラダ探検隊」などのゾーニングを行いましたので、楽しみながら回っていただき、最新の情報を共有いただければと思います。さらに、最近の本学術集会では行われていなかった全員懇親会を、「福岡×岡山の宴、食べて聴いてしあわせになろうよ!」と銘打って第2日目の夜に開催いたします。がんに立ち向かう免疫力のアップにつなげていただければと考えております。
今回の学術集会には、公募演題1,600題、指定演題、共催関連演題など加えますと2,219題もの多くの演題をいただき、公募演題のうち133題は上級セッションで発表いただきます。ぜひ多くの皆様に歴史と文化が融合する美しくて美味しい都市、福岡にご参集いただきたいと存じます。福岡にいながらも「晴れの国 岡山」の魅力を存分に味わっていただけるような工夫を凝らした企画・おもてなしもご用意する予定です。がん治療をリードする皆様が福岡に集い、対面での相互交流を深める機会になりますことを切望いたしております。福岡で皆様にお会いできますことを楽しみにしております。