会長挨拶

この度、第64回日本癌治療学会学術集会を、2026年10月22日(木)~24日(土)の3日間、神戸コンベンションセンターにて開催させていただくこととなりました。歴史と伝統ある本学術集会を主催させていただきますことを、たいへん光栄に存じます。吉野理事長をはじめ本学会の理事、代議員、会員の皆様に心より感謝申し上げます。福島県立医科大学が本学術集会を担当させていただきますのは、器官制御外科学講座前教授の竹之下誠一先生が第52回(2014年、横浜)を開催されて以来となります。ご参加いただく多くの皆様にご満足いただけるように、教室および福島県立医科大学をあげて準備を進めてまいります。
近年のがんゲノム医療やがん免疫療法、ロボット支援手術、人工知能などの分野における進歩により、がんの治療成績は着実に向上してまいりました。特に、我々の消化器外科領域では、ロボット支援手術と免疫療法が実臨床の主役となり、30年に一度の大変革を目の当たりにしております。そこで、難敵であるがんに対して、臨床医、研究者、メディカルスタッフなど全ての専門家がチームを組み、さらなる治療の向上ひいてはがんの克服を目指して、第64回学術集会のテーマを、「One Team to Conquer Cancer」といたしました。日本癌治療学会は17,000名の会員を擁する本邦最大のがん関連学会であり、診療科横断的、職種横断的な特徴を有します。本学術集会では、がんの専門家から患者さん・ご家族まで、がんに関わるすべての方々が、さらに深くがんを知り、さらに多彩な戦略でがんを克服する情報の場、交流の場を提供したいと考えています。
私達の教室では、“Academic Surgeonを極める”をモットーに、外科手技の修練とともに、がん免疫とゲノム分野にフォーカスしたTranslational Research (TR)を積極的に展開してまいりました。そこで、第64回学術集会では、特別企画として「光免疫療法」「ICI治療のNext step」「ctDNAガイド下フォローアップ」「ゲノム情報によるバイオマーカー検索」など、実臨床に近い次の標準化を意識したTRをテーマにした企画を準備しております。また、39の臓器別セッション、33の領域横断セッション、「がんち」から世界に発信する“JSCO Frontier”など、従来からの魅力的なセッションも予定しております。さらに、私が本学会の国際委員長を4年間拝命した集大成として、第6回Asian Oncology Society(AOS)の年次集会をJSCO2026と同時併催し、ASCOやESMOからのゲストを招いてJSCO/ASCO/ESMO/AOS joint sessionを企画し、文字通りGlobal leaderによる充実したInternational sessionも計画しております。
神戸にいながらも「福が満開、福のしま」の魅力を存分に味わっていただけるような工夫を凝らした企画・おもてなしもご用意する予定です。展示会場における福島物産展や、全員懇親会における福島色を活かした企画などを予定しております。是非、多くの会員の皆様に第64回学術集会にご参加いただき、神戸にて皆様にお会いできますことを楽しみにしております。