会長ご挨拶

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 第57回日本癌治療学会学術集会
 会長 吉田 和弘
 (岐阜大学大学院医学系研究科 腫瘍制御学講座腫瘍外科学分野 教授)

この度、第57回日本癌治療学会学術集会の会長を拝命いたしました、岐阜大学腫瘍外科吉田和弘と申します。歴史と伝統のある本学術集会を主催させていただく事ができ大変光栄に存じます。本学術集会は、恩師である岐阜大学 佐治 重豊教授(第37回1999年)と広島大学 服部 孝雄教授(第23回1985年)、峠 哲哉教授(第39回2001年)、群馬大学 西山 正彦教授(第49回2011年)が会長として主催されており、小生にとりましても大変思い入れの深い学術集会です。

本学術集会のテーマは「社会と医療のニーズに応える」とさせていただきました。すざましい勢いで進化する医療と、高齢化や時々刻々変わりゆく社会の変化やニーズに応える事ができる様私たちは対応する必要があります。特に人工知能(AI)を始めとするテクノロジーの進化は目を見張るものがあります。医療においてもゲノム医療、多彩な分子標的薬を始めとするPrecision Medicineが推進されています。さらに2018年ノーベル医学生理学賞に象徴されるように、免疫チェックポイント阻害剤をはじめとした癌免疫治療は癌治療における重要な立ち位置を占めるようになりました。これらの新たな医療はAIとの融合によって更なる進化を遂げていくことは間違いありません。一方、免疫関連副作用(irAE)、化学療法や分子標的薬による心臓・皮膚などへの多彩な有害事象も認識されるようになり、多くの診療科による横断的なチーム医療の重要性も増すばかりです。こうした背景に加え国際化の波が押し寄せるグローバルなこの時代、我が国の癌治療の検証と将来構想を討議する機会として本学術集会が果たす役割は極めて重要と考えます。
 そこで今回、以下のテーマを中心としてプログラムを構成しました。(1)AIを中心とした先端医療と産学連携による将来構想、(2)Precision Medicineの検証:ゲノム医療、分子標的薬、免疫療法など新規医療とそれらの融合から生み出される新たな医療、(3)グローバル時代の癌治療:JSCO・JSMO・JCA 3学会の連携、国際シンポジウムとしてASCO・ESMO・ECCO・UICCとのジョイントシンポジウム、アジアにおける新たな学会AOS(Asian Oncology Society)の設立、アジアンガイドライン作成展望、FACOを中心とした臨床試験の推進、(4)進化するがん治療と再生医療、(5)希少癌とAYA世代癌:ネットワーク樹立を始めとする治療体制の確立とサバイバ―シップの検討、(6)今後の臨床試験の在り方:「新臨床試験法案」に基づく臨床試験と今後の展開、(7)働き方改革に基づく女性医師・メディカルスタッフの癌医療への関わり方、就労支援に代表される癌患者のサバイバ―シップの問題、などを中心に取り上げました。さらに近年話題のテーマについて臓器横断的セッション、ディベート、ワークショップなども組み入れたいと思います。

本学術集会が、参加者の皆様の満足度を最高のレベルに実現できる様、教室員一同努力する所存でございます。医師、薬剤師、看護師のみならず、がん医療に携わる多くのメディカルスタッフの方々にも参加していただける学会にしたいと考えております。ASCO、ESMOそしてアジアからのOncologistと共に、我が国の最先端のOncologyの現状を本学会から世界に発信できればと考えております。九州博多でお会いできますことを楽しみにしております。